「歯性感染症を考える会」だより 第5号

 

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近頃、何人かの先生から「感受性試験で選択した抗生剤を何回局所投与しても細菌数が減らないが、どうしたらよいか」と言う質問が寄せられています。よくお話をお聞きしますと、「チェアーサイド嫌気培養システム」について誤った理解がなされているようです。

 

 「チェアーサイド嫌気培養システム」においても根管の機械的清掃が前提です。

感染経路である根管と感染部位である根尖部根管、根尖周囲の細菌感染を完全に除去することが、チェアーサイド嫌気培養システム」の基本理念です。  

感染根管の治療や抜髄後細菌の残留が認められた根管(これも感染根管です)の治療では根尖孔部まで確実に機械的清掃を施す必要があります。

これは、必ずしもオーバーインスツルメンテイションやオーバーフィリングを推奨しているわけではありません。根管充填のための根管形成は別の基準で考えられるべきです。

抜髄根管では作業長の設定や根管拡大サイズに工夫をすると、また感染根管では根尖孔部までの機械的清掃を確実に行うと、初回細菌検査時の細菌残留率を下げることができます。細菌残留が認められた根管の内、多くの根管では機械的清掃だけで短期間に細菌が除去できます。

多量の細菌による感染が認められたり、機械的清掃でどうしても細菌を排除できない場合に抗生剤を局所投与します。この場合も根尖まで機械的に清掃されていることで、感染部へ薬剤が確実に到達し、効果的なのです。

抗生剤が投与されれば細菌数は減少しなくても、コロニーの種類は変化し、1〜2種になるはずです。もしコロニーの種類が減少しなければ抗生剤が感染部位に届いていません。もう一度、根尖部が穿通されているか、薬剤が根尖孔を越えて感染部に届いているかを確認してください。

必ず良い結果が得られるはずです。

 

                          

追伸

前回お送りしました「歯性感染症を考える会」だより 第4号の年会費振込先の口座名が不正確であり、多くの先生にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。

正しい口座名をお知らせいたします。

 

振込口座:百十四銀行 天満橋支店 普通 0274653

  口座名義:歯性感染症を考える会 代表 小川 歓

 

              お問い合わせは:〒534-0023 大阪市都島区都島南通 1−1−4

                      小川歯科医院内 「歯性感染症を考える会」事務局

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