平成30年度総会・症例検討会
平成31年3月16日(土) 15時より
於 大阪ヨシダ本店 (四ツ橋)
総会
司会 小川 歓
ごあいさつ 「歯性感染症を考える会」会長 坪井新一
連絡事項
1.Vancomycinの感受性ディスクについて
小川 歓
症例検討会
1.大きな透過像を有する症例 -どこまで細菌検査します?-
大阪市開業 小川 歓
2.細菌検査ってどこまで信頼できますか? -質疑発表-
浜松市開業 鈴木 孝彰
3.感染性心内膜炎で死にかけました!!!
三重県尾鷲市 吉田 匡宏
4.ブラキシズムと歯内治療
京都府開業 上村 学
抄録
1.大きな透過像を有する症例-どこまで細菌検査します?-
大阪市開業 小川 歓
大きな透過像を有する症例ではどこからサンプリングすればよいのか?根尖孔外はどこまで触っていいのか?いつも悩んでしまします。根尖孔を超えて1oほどの所は培養陰性が得られたとして、それで根管治療を終わりにしていいのか?培養陰性は病巣全体を反映していると考えていいのか?
実際に治療した症例とともに考えたいと思います。
2. 細菌検査ってどこまで信頼できますか? -質疑発表-
浜松市開業 鈴木 孝彰
臨床では、見えていないが故にないがしろにされ、悪い結果をもたらす事が多々あります。細菌はその最たる物です。嫌気培養はそれを見る事が出来る大変優れたアイテムの一つです。しかし我々は嫌気培養や細菌の事実を知らずにイメージだけで考えている様です。
ここで少し臨床の疑問をお聞きして頭を整理したいと考えています。
3.感染性心内膜炎で死にかけました!!!
三重県尾鷲市 吉田 匡宏
感染性心内膜炎というと「なんやったっけ?」とか「ああ、なんか昔に講義で聞いたなあ」という先生方がほとんどだろうと思います。
少し、詳しい先生でも「なんか病巣感染が関係していたかな?」程度で具体的な病態についてはご存じないと思います。
昨年、「歯性感染症を考える会」の総会に出席し、郷里の尾鷲に帰った直後に発熱と無力感に襲われ尾鷲総合病院を受診したところ即日入院となりました。
診断は慢性感染性心内膜炎です。菌血症から細菌が心臓に定着し(バイオフィルムです)感染と弁が破壊されていました。しかも、原因菌はEnterococciです。(なんか因縁めいたものを感じます)致死率も高く障害も残りやすいため、その後、治療に約2か月半の入院と心臓手術が必要でしが幸い完治しました(でも障害者1級です)。
そこで、多くの医師から共通して「最近、歯科治療を受けましたか?」とか「最後に歯科治療を受けたのは何時ですか?」と聞かれました。
感染経路は明らかではありませんでしたが、一般に歯科治療の関与が強く疑われていました。まさに「歯性感染症を考える会」の講演テーマとしてふさわしいものです。
今回は感染性心内膜炎について、歯科治療との関連について、歯科医はどう対応すべきかを最新のガイドラインに沿ってお話ししたいと思います。
4.ブラキシズムと歯内治療
京都市開業 上村 学
日常臨床において根管処置を適応する症例の中で、予期せぬ歯根破折を発見することがあります。ヒビが入っている程度だと、もしかしたら保存ができるかもしれないというケースに遭遇したので報告させていただきます。
また、力の問題の一つ「歯軋り」について復習し、二次的に起こる辺縁漏洩をチェアーサイド培養システムを応用して対応した方法と、そもそも辺縁漏洩で何が起こるのかを皆さんと考察したいと思います。