平成2744()

歯性感染症を考える会

平成26年度総会・症例検討会

 

総会

司会 小川 歓

ごあいさつ

「歯性感染症を考える会」会長 坪井新一

 

症例検討会

1.   「上顎臼歯のエンドと上顎洞」

        尼崎市開業 吉竹 弘行

  

歯内歯周疾患を除く通常の根尖病変は骨によって3次元的に囲まれている
と考えていたが、CBCTが普及してきたことにより、上顎臼歯の根尖病変
と上顎洞との交通が認められる症例の存在が、かなり明確になってきたと
思っている。これまで上顎洞は、耳鼻科口腔外科の領域であり、歯内療法
とは関連性があまりないように考えていたが、実際には密接な関係がある
ように思われる。そこで今回は私なりにエンドと上顎洞の関連性について
症例を通してお話させて頂き、諸先生のご批判を仰ぎたい。

 

 

2.   根管充填しなかった症例と上顎洞近接症例

             大阪市開業 小川 歓

 

 根管治療は根管及び根尖周囲組織から細菌を除去すること、根管充填は再感染の防止のための封鎖、と考えると従来の緊密に詰めろ!だの、根尖部まできっちり詰めろ!などというのは別にどうでもいいのでは?再感染を防止するための封鎖さえしとけば問題ないのでは?とふと考え、根管充填せずに補綴したのち3年経過した症例を紹介します。

 また、吉竹先生と同様に歯根が上顎洞に近接していて、根管治療をするかどうか考えてしまう症例を紹介します。

 

3.「今、こんな症例で困っています」・・・て言うか、

こんな症例やってます。

 

大阪歯科大学 口腔治療学講座

吉田 匡宏

 

 

 

 

 大学病院にいますと、とんでもないような症例に挑戦させられます。

 もちろん、基本は「チェアーサイド嫌気培養システム」を用いて治療していますが、必ずしも想定内と行かないのが現状です。

 通常の難治性根尖性歯周炎症例なら、もはや悩むことはほとんどないのですが、通常抜歯適応の症例を保存しようとするといろんなことが起こります。

 思ったよりうまくいくこともあれば、起こっている現象がよくわからないこともあります。

 それでも、「チェアーサイド嫌気培養システム」によって何とか方向付けしながら治療していけています。

 昨年から今年にかけて、治療している症例を紹介しながら今の考えをお話していきたいと思います。